外壁のメンテナンスを考える。家のリフォームの観点で見た外壁塗装と補修とは

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家の総合的なメンテナンスから見る外壁の補修とは、たとえば「急な水漏れで水浸しになった」とか「水が流れない、お湯が出ない」というような緊急の修繕と比較したときには、「住まいをより充実したものに変更する」といった意味合いが強いといえます。要するに、「今すぐには必要がないといえばない」というものです。

しかし、屋根や外壁の修繕メンテナンスといったものは、その家を守ることにつながります。大きな費用がかかるので、できるだけ抑えたいといった心情はあるでしょう。しかし、抑えていい費用と抑えてはいけない費用はあるのです。

外壁の耐用年数が過ぎ、劣化した状態で放置するとどうなるのか。詳しくお話します。

外壁を放置するとどうなるのか

汚れが付着する

劣化の進行状態を目視する方法のひとつとして、汚れの付着があります。初期段階としてはまず目視できる程度であれば、経過観察で大きな問題はないといえるでしょう。

外壁に幅が0.3mm未満のクラック(ひび割れ)発生

こちらも直ちに何かを施さなければならないというほどのものではありませんが、劣化の進行を遅らせるためには、早めの修繕をおすすめします。今後ひび割れが大きくなることを防ぐためにも早めの修繕をするに越したことはありません。

カビや藻、コケの発生

ある程度年数も経ち、劣化が進むと、日陰になっている場所にコケが生えたり、カビが発生したりしてしまいます。

カビは湿気を好み、身の回りの生活用品や家の中にもコロニーと呼ばれる集まりを形成しながらどんどん増殖していきます。それだけでも不快なのに、恐ろしいことにカビは人や建物にも悪影響を及ぼします。

まず、いうまでもなくアレルギーの原因物質であるということ。カビの胞子を含む空気を吸い込み続けると、アレルギーを発症してしまうリスクがあります。

また、大量に発生したカビやコケなどは、家の美観を損ねます。日本はカビ天国といっても過言ではありません、したがってカビは建物の年数に関わらず、湿気と湿度とカビの栄養となる成分が揃えば簡単に繁殖します。

外壁や屋根、ところかまわず生えるカビをそのままにしておくと、まだ築浅だとしてもかなり劣化したような建物に見えます。また、カビが増殖してしまった場所は、菌糸と呼ばれる根っこのようなものが内部まで伸びていますので、簡単な水洗い程度では菌糸を除去することはできなくなります。

色褪せやチョーキング

外壁のチョーキング現象とは、外壁の塗料に含まれる顔料が外壁の表面にチョークの粉のようになって出てきてしまう現象です。

外壁の塗装表面にある表層樹脂が紫外線や雨風によって劣化してしまって発生する現象で、壁を手でこすると手に白い粉が付着します。

チョーキング現象は、表面の樹脂の劣化によるものです。外壁を守るという本来の役割を果たすことができなくなり、外壁塗装の防水効果が切れてきた証拠なので、放置していると雨水が家の中に侵入し、建物全体を傷めてしまうので、早めに対処しましょう。

被膜の膨れ

雨水が外壁と塗膜の間に入り込んでしまうと、膨れが発生します。通常であれば外壁と塗膜は密着しているので外壁の中に水が入ることはありませんが、塗膜の経年劣化が進んでしまうと機能が弱まり、外壁にひびが入ることで雨水を侵入させてしまうのです。

雨水が侵入すると、美観を損なうのはもちろんのこと、外壁材のさらなる劣化や、膨れの範囲が広くなることも促してしまい、修繕の範囲も広がってしまいますので、こちらも確認次第、早々に対処するべきでしょう。

金属部分にサビの発生

サビの発生を起こしてしまう素材を使用している場合に起こる現象で、金属サイディングの使用なら起こりえる現象です。ですが、劣化が進みサビが出るのは稀です。トタンの場合は進行によってサビが発生するケースは少なくありません。

とはいえ、サビが出てしまうと、サビの原因を食い止めない限り進行は続き、外壁全体に広まってしまいます。

サビは進行すると洗い流すだけでは落ちなくなり、ある程度進行してしまったサビは研磨して除去しなければなりません。研磨をした後はサビ止めや塗料での補修が必要となります。

見た目が気にならなければ、早々にどうにかしなければならないというほどの緊急性はないにしても、壁全体に広がっている、あるいはサビが進行して穴が開いているなどの場合は、雨水が浸透してしまい住宅自体の寿命を縮めてしまう可能性があるので、早急に対応するべきです。

欠けている個所がある

サイディングの爆裂や凍害現象は、ひび割れを放置したことによるもので、劣化現象のひとつです。サイディングのひび割れに水が入り込み、寒い時期に凍結し体積が増えることで、壁の内部から押し出され爆裂します。こうなってしまったら補修材で埋めるか、新しいサイディングへ張り替えるかになります。

放置していると、爆裂したところから水が浸透し、こちらも家全体の寿命を縮めてしまう可能性があります。

シーリングのひび割れ、破裂、剥離

近年の住宅の外壁は、窯業系のサイディングがよく使われていて、ALCやサイディングは部材を張り合わせて施工するので、どうしてもつなぎ目ができてしまいます。

そのつなぎ目を埋めるためにシーリング剤を打っているのですが、シーリング剤の劣化でひび割れや破裂を起こし、そこから雨水や湿気が侵入し、カビやシロアリの原因につながることもあります。

住宅にとってシーリングは衝撃の吸収や、防水や防カビといった、とても大切な役割を担ってはいますが、新築から数年で劣化が始まる部分でもあるのです。

シーリング剤は、主にウレタンを使用しています、ウレタンは紫外線に弱い性質がありますが、外壁は紫外線をまともに浴びてしまう場所でもあるので、どうしても劣化は進んでしまいます。シーリング剤の打ち替え時期は場所や環境にもよりますが、概ね10年とされています。

また、補修法としては打ち増しという施工方法もありますが、打ち増しは古いシーリングの上から新しいシーリングを打つ施工方法で、コストは安いですが、あまり長持ちはしないので、10年目の補修なら打ち替えが基本的な施工方法になります。

シーリングの打ち替えは塗装業者で行うのではなく、シーリング専門の業者や職人に依頼して行うのが基本です。塗装のついでにという気持ちで塗装業者に頼んでしまうととんでもないことになってしまうことも少なくはありません。例えば、シーリングの剥離などを起こしてしまいます。

剥離の場合は、施工時のプライマーの塗り忘れや塗りムラが原因の場合が多くなっています。工事費を出し渋って施工してしまうと、大きな失敗につながる可能性がありますので、しっかりとした業者に作業を依頼することにかかる費用は惜しまないほうが良いでしょう。

いずれにしても、水の浸透が原因で建物の寿命を縮めてしまう可能性があるので、ひび割れや破裂、剥離を発見したら早急に措置を取る方がいいでしょう。

まとめ

家のリフォームから見た外壁の補修とは、結果的には必要なものであって、我慢してよいものではないということです。

じっと我慢をして、劣化の進行が止まったり、直ったりすることはありません。少しずつ進行は進み、着実に劣化していき大切なマイホームや建物を傷めていることに間違いはありません。外壁や屋根の修繕には費用がかかります。そういった費用は修繕費として毎月の収入から少しずつ貯めていて、いざというときに困らないようにするのがいいでしょう。

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