外壁塗装と屋根塗装は、得意とする業者が違う!?メンテナンスの際には要注意

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外壁塗装を行う際には、足場を設置する手間がかかるので、一般的には外壁塗装と屋根の補修及び屋根の塗装を一緒に行うことが多いでしょう。もちろんそれも間違ってはいませんが、もう少し深掘りして考えてみましょう。

外壁塗装後のトラブルやクレームといったことは、実は少ないのです。なぜかというと、劣化した外壁が施行後はピカピカになるのですから、相当なにかしらの失敗を起こさない限りは依頼者も納得してくれるからです。

屋根の場合は、外壁と違い、あまり見えないので値段に相応の満足感が少なく、万が一業者の塗装でのミスがあったとしても屋根にのぼってまで確認はできませんので、残念ながら依頼側としては信頼するのみなのです。だから外壁にしても屋根にしても、トラブルはあまり聞かないのです。

こうした塗装業者の施工でトラブルにまで発展してしまうもののほとんどが、スレート屋根とコンクリート瓦屋根の塗装工事です。

外壁の塗装は素晴らしいものでも、屋根の塗装工事をしてから雨漏りをするようになったとか、屋根の塗装をしてから部屋が湿っぽくなったなど、そういったトラブル事例はあるようです。

今回は、外壁塗装と屋根塗装について、詳しく見ていきましょう。

スレート屋根

スレート屋根(コロニアル・カラーベスト)とは、セメントを薄い板に加工した屋根材のことです。

日本の屋根材としては最も普及していて、修理やリフォームに対応している業者も数多くなっています。

スレート屋根かどうかの見分け方は、平らな板状のものが張り合わさった屋根、そして金属製ではないものかどうかを確認してみましょう。

スレート屋根のメリット

価格が安くて色やデザインが豊富です。

価格が安いだけではなく、メンテナンス費用も割安になります。さらに屋根材としてはもっとも普及しているので、扱える業者も多数あるといった点もメリットでしょう。

軽くて、耐震性に強いというのもポイントです、金属屋根には少し劣りますが、スレートは自重が軽い部類の屋根材になります。

軽量なので建物にかかる負担が少なく、地震で建物が揺れた際の影響も少なく、重みで倒壊してしまう可能性を下げる効果があります。

スレート屋根のデメリット

割れやすく、耐久性が低いところがデメリットです。

化粧スレートは薄いセメントの板なので、荷重や強風にあおられてひびが入ることが多いため、他の屋根材に比べて割れやすく、耐久性が低いとされています。

耐久性が低いので、スレート屋根は新築の工事のときにすでに細かなヒビが入っていることがあります。割れやすいので注意して取り扱ってはいるものの、どうしても細かなヒビが入ってしまうのは避けられません。

メンテナンス頻度が高いというのもデメリットです。割れやすいスレート屋根を使用した家屋ならば、異常がなくても定期的な点検を5年に1度程度はした方がいいでしょう。

そういった側面からもスレート屋根はその他の屋根材と比べて、屋根業者を呼ぶ頻度が高くなります。

コンクリート瓦屋根

瓦といえば表面がつるつるとしている釉薬瓦(陶器瓦)や、光沢のない黒っぽい銀色のいぶし瓦、洋風の家なら素焼き瓦などがありますが、これらの素材は粘土でできているもので、粘土瓦と呼ばれるものです。コンクリート瓦屋根とは、粘土以外のセメントやコンクリートを主原料として作られた瓦です。

見た目は粘土瓦とほとんど同じですが、成型の自由度が高いといった利点を生かし、さまざまな形のものが存在します。

コンクリート屋根のメリット

もっとも大きなメリットとしては、耐久性の高さです。コンクリートという材質は非常に耐久性が高く、30年以上使用し続けることが可能です。

その他にメリットとして挙げられるのは、耐風性、防音性、遮断性、耐火性などに優れていること。これらはスレート屋根や金属屋根より優れているといわれています。コンクリート屋根は快適に過ごすための機能が兼ね揃っていて、屋根材としてとても優秀です。

コンクリート屋根のデメリット

瓦の特徴というと、粘土でできていて塗装の必要はなく、メンテナンスフリーだと思ってはいませんか。それは陶器瓦だけです。このコンクリート瓦屋根は吸水性が高く雨水などを含む習性があるため、経年劣化による色褪せや表面の塗膜が剥がれ落ちたりします。

塗膜が剥がれたままにしておくと、雨漏りやカビの発生の原因になる可能性があります。

さらには、水分を含んだコンクリートは乾燥する際に伸縮と膨張を繰り返し、その過程でひび割れを起こしてしまいます。特に寒冷地などでは水分を含んだまま凍ってしまうことによって劣化が加速されてしまいます。

それらを防ぐためには、10年から15年に1度はコンクリート瓦の再塗装が必要とされています。

重いということもデメリットでしょう。瓦全般に言えることですが、自重があるので住宅に対しての重さの負担が大きくなります。ちなみにガルバリウム鋼板は1平方メートルで5kgであり、それに対してコンクリート瓦は1平方メートルでなんと45kgにもなります。おおよそ9倍の重量になっていますスレート瓦は1平方メートルで20kgなので、やはり2倍以上になっています。

しかし、もっとも厄介なデメリットは、メンテナンスが難しいという点です。

コンクリート瓦屋根は、成形した後にスリラー層と呼ばれる特殊な塗膜を表面に塗布し、クリアー塗装で仕上げるといった工程で製造されています。

そのため、メンテナンスで塗装を行う際に、塗料を密着させるためにスリラー層を除去してから塗装をし直す必要があります。それをしっかりと行わないと塗装が剥がれてボロボロになります。しかし、スリラー層は基材に非常に密着していることから、なかなか剥がれにくく、下地処理に手間と時間がかかってしまいます。

このことから一般的な屋根材の塗装より割高になる傾向があります。近年では、そのスリラー層をしっかりと補強し、付着性を高める下塗り剤が開発され、手間を抑えて作業が行えるようになり改善はされていますが、やはりまだ割高ではあります。

また、不向きな塗料があるというデメリットもあります。コンクリートなので伸縮するため、硬い塗膜のものを選んでしまうと1年も経たないうちに塗料が剥がれて目も当てられない状態になりかねません。

さらに、耐久性が低いというのもデメリットのひとつとして挙げられます。コンクリート瓦はセメント瓦よりはましではありますが、耐荷性が低く割れやすいのです。したがって、塗装業者が誤って踏み抜いてしまうことも少なくありません。

まとめ

塗装業者によって、得意な分野と不得意な分野があって当然です。特殊なものになると車の焼付塗装や工場の機械や薬品を置いている部屋の塗装などがありますが、住宅の外壁の塗装と屋根の塗装でもそれぞれに特徴や注意点などがあります。

ある程度屋根材にも知識があるのか、自信のない屋根材なのに請け負ってはいないか、難しい所を新人にまかせてはいないかなど、知識の範囲は職人や会社で違いますので、そのあたりをしっかりと打ち合わせをし、確認をした上でのリフォーム計画を立てて、それに従って工事をしましょう。そうすることでトラブルやクレームは回避することができ、あとで後悔をしなくても済むようにできるのではないでしょうか。

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